(本タイトルのフォント青色の書籍が、もう一度読みたい本
2015年.4月
「後妻業」 黒川博行 文藝春秋 2015.4.6 資産を持っている老人を狙い後妻に入って老人の遺産を狙う結婚詐欺師、後妻業の話。次々と老人と入籍、除籍を繰り返し、老人は不自然かつ突発的な事故死。物語最初の老人は、残酷にも注射器で空気が注入され殺される。結婚詐欺師弟の極道も絡み、大阪府警のマル暴担当上がりの興信所の調査員が、老人の死を不審に思いあくどい調査に乗り出す。 凄い世界を知らされる、それだけで面白い事はない。最後まで読ませる割には、あっけない最後で全てが駄目と云った感じ。終わり悪けりゃ全て駄目か。 ただ、2014年末の、京都での、青酸化合物による夫殺害事件が先か、この物語が先なのか。怖い業があったものだ。 |
「覇王の贄(にえ)」 矢野隆 光文社 2015.4.10 「此奴を殺せる者を、御主が探してこい」と信長は、臣下の将たちに命ず。臣下の名将たちが選んだ強者と信長に拾われた新免無二斎との勝負を描く連作時代小説。 小賢しい言い回しに辟易しながらも最後まで、展開が気になる。光秀が信長を討ったのが腹に収まるぐらいに、信長、光秀の関係が、特に光秀の心の内が巧みに描かれている。 |
「土佐堀川(女性実業家 広岡浅子の生涯)」 古川智映子 潮出版社 2015.4.20 1849年、京都油小路三井家に生まれ、大正8年、71歳で没する迄の、九転び十起きでやり抜き、不死鳥のような生き方を貫いた近代日本初の女性実業家 広岡浅子の生涯。 17歳で大阪一の豪商両替商に嫁ぎ、商売上手は一に才覚、二に算用、そして三に始末と、自ら先頭に立って商いの道に邁進、筑豊の炭鉱事業、銀行設立、大同生命設立、後には本邦初の女子高等教育機関、日本女子大設立に参画。 信じられないようなスーパーウーマンの生涯の話なのだが、ピンと来るものがなく読む終えるのに一苦労。 |